THE BOYS&GIRLSの「ユアキャンバス」というアルバムに愛を叫ぶ【後編】

THE BOYS&GIRLS(通称ボイガル)の4thアルバム『ユアキャンバス』に愛を叫ぶ記事。約1年前に1~5曲目のレビューを前編として投稿したのですが、その頃に書いていた後編を下書きから発掘したので、再編して公開します。

はじめに

こんにちは~!この記事はただのボイガル好きが趣味で好き勝手に書いているものなので、気軽に読んでもらえますと幸いです。

筆者は、4thアルバム『ユアキャンバス』を引っさげたツアーでボイガルに出会いました。ちょうど1年前くらいですね。まだボイガルを好きな友達もほとんどいなくて、でも誰かに、どこかに、好きな気持ちを爆発させたくて、この前編にあたる記事を書き、公開した覚えがあります。

その時にノリノリで後編も書いていたのですが、下書きの中に閉じ込めたままになっており、今を迎えました。改めて読んだところ、そこに詰まっていたのは、ボイガルに出会って間もない当時の感情でした。これはこれで大事にしたいと思い、残したくなったので、公開することにしました。

できるだけ当時のままの状態で公開しますので、お付き合いいただけますと幸いです。好きって最高です。それでは、後編、6曲目からスタート!

⑥ブリッジ

ユアキャンバスツアーの釧路公演でボイガルに出会い、翌月には飛行機をとって札幌公演を見に行きました。筆者にとって『ブリッジ』は、そのときの思い出が色濃く染み込んでいる楽曲です。

曲の由来となっている幌平橋を見たくて、すすきのから中島公園を通り、歩いて向かったこと。実際に幌平橋をのぼったり降りたりしてみたこと。この曲を聴くと、札幌の空気が蘇ってきます。

特に印象深いのは、「何度も階段を登った 右ポケットには真実を 左ポケットには嘘を」という歌詞。階段を登るという行為や、右ポケットという場所など、すごく具体的な描写のある歌詞ですが、真実や嘘という言葉は抽象的で、具体と抽象が混じっているかんじがすごく好きです。

ロングコートの両ポケットに手を突っ込んで幌平橋を登っているときに、この歌詞が流れてきて、(今このポケットには何が入っているんだろう)と思わず考えてしまいました。筆者にとって大事にしたい体験です。

⑦涙の車窓から

この曲も札幌公演で遠征をしたときの思い出が強いです。ボイガルに出会ってから初めて札幌に行ったタイミングだったので、いろんな景色が新鮮で、嬉しくて、記憶が濃く残っているのだと思います。

新千歳空港から札幌駅まで移動するときに快速エアポートに乗ったのですが、そのときに(あれ?快速エアポートって何かの曲の歌詞だったよな?)と思って、「なんて曲だっけ?」とツイートしたら、フォロワーさんがすぐに「涙の車窓から!」と教えてくれて、乗っている間に絶対に聴きたい!と思い、急いで探して再生しました。

悔しさや情けなさ、惨めさが詰まった、苦しい、でもかっこいい曲。「隙間から見えたものが綺麗すぎて下向いた」という歌詞があって、(ボイガルを初めて見た日の自分と一緒だ)と思いました。当時の筆者は、何もかもが眩しく見えて、直視できませんでした。

今はその綺麗さが、たくさんの傷跡や葛藤の上に成り立っているものだと分かったから、まっすぐに見ることができます。「こんな俺を笑ってほしかった」という自嘲的な歌詞も好きです。

⑧手紙の歌

この曲の「真剣になるのと深刻になるのは 似てるようで違うとわかってるのに」というフレーズに、日々支えられています。「わかってるのに」で声が重なるところで心がぎゅっとなって、涙が出そうになります。

深刻に考えすぎるのは良くないとわかってはいるけれど、わかっているからといって考えずにいられるかというとそうじゃなくて。深刻に考えてしまうことを許されたような心地もするし、深刻に考えないでいいんだよと諭してくれているような心地もするし、どの聴き方をしても優しく響いてくれる曲だなと思います。子守歌のような安心感。

「ゴミ箱の中から掬い上げた」という歌詞も好きです。「掬う」ってボイガルを象徴する言葉だなと思います。「救う」ではなくて「掬う」。ボイガルの曲を聴くと、感情を肯定して大事にできるようにしてもらえるような感覚になります。

⑨その羅針盤

個人的には、『ユアキャンバス』で一番かっこいい曲といえば『その羅針盤』。まず最初におすすめしたい曲です。MVもかっこいい。赤・白・黒で統一しているところとか、革ジャンなところとか、総じてかっこつけていて最高です。ボイガルはかっこつければかっこつけるほどかっこいい。

かっこつけるって背伸びするみたいな意味合いで使われることが多い言葉だと思いますが、背伸びみたいに上に伸ばそうとするんじゃなくて、ボイガルは地に足がついたまま、高さそのままで、上じゃなくて前に出るかっこのつけ方だなと思います。それが本当に好きです。

ギター、ベース、ドラム、歌、全パートかっこよくて、この曲を聴くと、とにかくテンションがあがるし、心がメラメラと燃えてくる感覚があります。やってやるぜ!という気持ちになります。

歌詞はまるで人生の教科書。「背中合わせの日々も 諦めず話してみよう」とか、「これじゃないからまだ探す」とか、転んでも転んだままで終わらないかんじが良い。なかなかこんなにかっこよくはなれないけれど、できることから取り入れて、少しずつ自分の殻を破りたいです。

⑩遠いストーリー

この曲は視界が開けるかんじがしてすごく好きです。背負った重い荷物をドサッとおろせるような、塞がった胸に風穴を開けてもらえるような、そんな感覚。スカッとした気持ちにさせてくれる、どこまでも突き抜けていくような歌声が大好きです。

海沿いを走る汽車に乗って、窓辺に缶コーヒー置いて、「僕はあれから何者になってしまったのだろう」と考えて、最終的に「僕らこのまま何者にもならなくていいだろう」という結論に辿り着く歌詞も好きです。

なんで何かを成し遂げなきゃって気持ちになるんだろう。なんで自分にしかできないことって何だろうって考えちゃうんだろう。自分にしかできない何かがないと、自分には価値がないの?そうじゃないでしょ?誰も何者にもなれなくていいし、ならなくていいじゃんね。みたいなことを筆者はよく考えています。

こういう考え方なもんだから、自分にしか歌えない歌をたくさん持ってる音楽家が「何者にもならなくていいだろう」と歌ってくれるのは、個人的にとても嬉しいし、安心します。この曲を聴いていると、電車に揺られながら、一緒にぐるぐる考えているような感覚になります。

⑪間違いじゃない

「くだらないこと美しく見えて 小さなことが大きく見えたら 間違いじゃないよ」という歌詞が印象的な曲です。ボイガルの音楽は、その日の天気や温度や空気、何気ない景色を大事にしている気がしていて、だからなのか、ボイガルを好きになってから、外に出たときにいろんなものを味わおうとするようになりました。

今日の天気は昨日に比べてどうかな~とか、気温はこの服じゃまだ寒かったかもとか、雲が何のかたちに似てるとか、朝の空気と夜の空気は同じ場所でも全然違うんだなとか、お昼は住宅街を歩くと誰もいないけど、川沿いに行くとおじいさんと犬の組み合わせがよくいるなとか、あの鳥はなんていう鳥だろう、あの花かわいいなとか。

アツいロックバンドなんだけど、こういう柔らかい感性が音楽に溶け込んでいるところが本当に好きです。外を歩くとくだらないことや小さなことに目が向くようになって、最近はそれをとっても素敵だなと思えるから、間違ってないんだと思います。小さなことで心が動くたびに、この曲を思い出します。間違いじゃない。間違いじゃないよ。

ユアキャンバスに寄せて

下書きの中にあった文章を以下にそのまま掲載します。もっと体裁を整えた方が良いだろうとは思ったのですが、オタクのマシンガントークってかんじの勢いがあって個人的におもしろかったので、もうこのままにします(笑)

ボイガルのCDまじで全部大好きで、全部最高だと思ってる。めっちゃ主観だけど、「バックグラウンドミュージック」は淋しいけど優しくて、「拝啓、エンドレス様」はもがきながら闘ってるみたいな苦しさがあって、「大切にしたいこと」は地に足をつけて挑む目を向けてくる感覚がある、「ユアキャンバス」はぶち上げる強さがある。

パキッとしてるし、生まれ変わったかのような爽快感もある。爽快感っていうのは風が吹くような爽やかさとかそういうのじゃなくて、俺はこれでやっていくぜっていう決意表明をドカン!とされたみたいな、そういう種類の爽快感。

「大切にしたいこと」も決意表明だと思う。ボイガルの曲はどれも決意表明な気がするんだけども、「大切にしたいこと」が決意表明を手渡しされる感覚だとしたら、「ユアキャンバス」は大砲でドカン!みたいな。随分大胆に行きましたねっていう爽快感がある。どの部分がとか言われたら難しいけども、まじ大砲でドカン。最高

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。大砲でドカンってなんだよってかんじですよね(笑)でも本当に、『ユアキャンバス』は最高だし天才だなと思います。

このアルバムのこと、収録されている1曲1曲のこと、ボイガルというバンドのこと、どんどん好きになるので困ります。こんなにも大好きだと思えるバンドに、音楽に出会えたこと、本当に幸せ者だなと思います。

かなり個人的な文章なので、何を読まされたんだという感覚にさせてしまったかもしれませんが、楽しい気持ちになったり、興味を持ってもらえたりしたら、すごく嬉しいです。

今年はこの記事が最後になりそうです。一度でも筆者の文章に触れてくださった方、ありがとうございました。また良かったら読みにきてください。新しい記事を用意しておきます。

それでは、よいお年を!
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