【高校生必聴】高橋優のおすすめ5曲

かつて筆者を救った彼の音楽を、悩みの多いであろう高校生という時期に聴いてほしいと思い、この記事を書きます。筆者の高校時代の話も織り交ぜつつ、おすすめの曲を紹介します。

もくじ

1.高橋優とは
2.おすすめ5曲
3.まとめ

□1.高橋優とは

作詞作曲を自ら手がけるシンガーソングライターで、人の苦しみに寄り添う言葉、人に勇気を与える言葉を紡げる人です。歌詞だけでも力がありますが、その歌詞が音と合わさることで、より感情が伝わってくるような音楽です。また、声には心地良いざらつきがあって、優しくもなるし、力強くもなります。秋田出身の男性でお茶目だったり、いろいろと可愛い人なのですが「こんなのおかしい」と思ったときにつくる曲のエネルギーには鬼気迫るものがあり、強烈です。横に座って話を聞いてくれて、ひととおり聞き終わった後に、「じゃあ立とうか」と手を引き上げてくれるような音楽ですので、多感な高校生のときに出会えて良かったなと思っています。今の高校生にも出会ってほしいので、次の章でおすすめします。古めの選曲ですが、一度聴いてみてもらえると嬉しいです。

□2.おすすめ5曲

①こどものうた

性暴力や虐待を歌っていて、筆者が高校生のときに初めて再生したときは、最後まで聴けませんでした。それほどまでに社会の闇をさらけ出した曲です。筆者の周囲の大人は素敵な人ばかりだったので、こういった苦しみを抱えたことはありませんが、こういう類のニュースは連日流れてくるので、それがしんどかった覚えがあります。ひとつひとつについて話し合うこともなく、流されていくかんじにも違和感があって、もやもやしていたのですが、この曲を聴いて、そこに切り込んでいく大人、高橋優がいることにひどく安心しました。家族の話もラジオなどでよくしているので、彼も当事者ではないと思うのですが、自分ごととして考えているのが、鬼気迫る演奏や表情から伝わります。YouTubeにMVがあるので、それを見ていただきたいのですが、最後には傷ついた手が映ります。アコギで傷ってつくんですね。「それでも生き抜いて ただ生き抜いて 混沌の時代を生き抜いて」と真っ直ぐにこちらを見て歌う姿に、この大人についていこうと思いました。彼は、こどもの味方になってくれる大人です。アコギ1本ですが、この曲はまぎれもなくロックンロールです。

②駱駝

この曲もまた、こどもの味方をする曲です。まず冒頭で、大人を「干乾びてんだ」と表現し、「可哀想だ」と突き放します。そしてサビで「僕らは笑おうぜ 僕らは笑おうぜ」というメッセージ。高校生ぐらいのときって、枯れた大人を見て自分たちもこの群れのなかに入っていかなくちゃいかないのかなみたいな不安があると思うのですが、そこに対して、NOと言ってくれる曲です。大人との間に仕切りを置いて、大人はああなってるけど、僕らは笑おうぜって。しかも、これをこどもが歌っていたら、ただの現実逃避なのですが、高橋優という“大人”が歌うことに意味があります。彼みたいに、こちら側にいるまま大人になって、こどもの味方になりたいと、当時強く思った覚えがあります。この曲もMVがあるのですが、こどものうたとは一変して、ずっと優しい笑顔で歌っています。大人とこどもの間に立って、「それはおかしいだろ!!」と大人に怒る曲がこどものうたで、「こっちは笑おうぜ」とこどもを安心させる曲が駱駝だと筆者は思っています。

③現実という名の怪物と戦う者たち

この曲は明るい曲で、「バクマン。」という少年漫画原作のアニメ主題歌だったので、知っている人も多いかもしれません。「支え合ったり卑屈をぶつけ合ったり 独りじゃ辿り着けない場所に 僕らは今きっと赴いている途中」という歌詞が大好きです。筆者は人といると疲れやすい部分があって、小学生の頃は首を縦に振るか横に振るかで意思表示をし、喋らないということを徹底して、自分から独りでいることを好んでいました。そこから人と接することを選び始め、独りじゃ辿り着けない場所がこんなにあったのかと、見えていなかった景色がこんなにあったのかと、知り始めたのが中高生の頃だったので、この曲は筆者にとって特別です。今は人といることを楽しめるようになったので、もし筆者と同じような方がいれば、人と接することで開けるものもあるということがこの曲を通じてでも感じてもらえたらなと思います。ただし、独りで読書をする時間、音楽を聴く時間、絵を描く時間、そういう時間の豊かさ、楽しさも筆者は知っているので、独りでいようとするあなたを否定しません。ただ、この曲の「出会えて良かったと心から言える 人が少しずつ増えてく」という歌詞に期待してほしいなと思います。

④ボーリング

真面目な話をしすぎたので、ここで共感しすぎて笑えてきてしまう曲をおすすめします。曲名はboring(退屈な)から由来していると思われ、冒頭の歌詞は、「あぁ面倒臭ぇ!朝起きなきゃならないのが」から始まります。この後、「面倒臭ぇ!仕事にいかなきゃならないのが」「行けば行ったで頑張るんだけど」「面倒臭ぇ!話を合わさなきゃならないのが」「つまんないのに面白いふりすんのが 嘘臭ぇ!」などなど、共感できる言葉がめちゃくちゃ出てきます。学生、社会人問わず、生きている人全員が共感できるのではないかなと思います。でも、まさしく、それが生きるということなんですよね。最後までこの曲を聴いても、「がんばれ」的な言葉は一切出てこないのですが、そこに逆に元気をもらえる曲です。(こう思うのは私だけじゃなかったんだな)という安心感と、(それでもそれぞれがんばってるんだな)という全体に対する尊敬の気持ちが湧くので、元気をもらえるのだと思います。曲調は渋いかんじなのですが、それがまた気取っていなくてすんなり心に入ってきます。勉強も部活もして、人間関係のいざこざもいろいろとある、そんな高校生におすすめしたい曲です。

⑤雑踏の片隅で

最後におすすめするのはこの曲で、要素がとても多いです。歌詞で表現されるのは、「肩がぶつかって喧嘩を始める人」「喧嘩で殴られた父親をみて泣く幼い少女」「それをスルーしてSNSに打ち込む人」「足の引っ張り合いをする政治家」「歓迎されぬ孤独と戦いながらルールに抗う少年たち」など。全部見たことがあるし、SNSに打ち込む人に関しては誰もがなりかねない、そんな身近な場面を切り取ることで、社会でなんとなく感じている閉塞感を的確に表現しています。この切り取り方が抜群に上手いのが高橋優です。そして、それを表現した上で、「雑踏の片隅で泣いてる少女に何をしてやれるだろう」と問いかけるのがこの曲です。筆者もろくな大人にはなれていませんが、こういう曲を高校生という時期に聴き込んでいたことが本当に良かったなと思っています。高橋優の音楽の影響で、教育や福祉、心理に興味をもち、大学でそれを専攻しましたが、疲れやすい筆者は結局ただの事務になりました。人生第二ステップとして、今後はライターを目指します。いつか、雑踏の片隅で泣いている、誰かに届く言葉を紡ぎたいです。

□3.まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。社会人向けなら、「リーマンズロック」や「花のように」などの曲もおすすめしたかったのですが、筆者が高校時代によく聴いていたこともあり、今回は高校生向けの選曲をしました。25歳になった筆者は現在、かっこいいロックバンドに夢中で、高橋優をあまり聴かなくなってはいます。が、苦しくなったときに頼るのはいつだって彼の音楽、私の中の最終兵器は高校時代の頃から変わらず、ずっと高橋優の音楽です。これを読んでいるあなたの最終兵器にも、彼の音楽が加わったら嬉しいです。
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