【知らない人向け】厳選5曲でSHU-THEにハマらせる記事

バンドばかり聴いている筆者が、唯一聴くヒップホップ、SHU-THE。ヒップホップには興味がない人の気持ちも分かりますが、騙されたと思って一度聴いてほしい。ヒップホップに対するイメージがガラッと変わるかも。

もくじ

1.SHU-THEって?
2.おすすめ5曲
①本当にとっておき
②One loop
③Back up sister
④終末ナニスル
⑤motokano
3.まとめ

□1.SHU-THEって?

東京を中心に活動しているラッパー兼トラックメイカー。筆者は普段ロックバンドばかり聴いていて、このブログを読んでくれている方々もバンド好きが多いと思います。彼に出会うまで、ヒップホップは全く聴いていなかったのですが、夫が大好きで、車内で聴かされているうちに、良いなあと思うようになりました。

ヒップホップというと、薬物や非行のイメージがある人も多いかもしれませんね。でも、SHU-THEはヒップホップの中でも、ポエトリーラップというジャンルになるらしく、びっくりするくらいに切なく、純粋です。温かい涙が流れるような、愛に溢れた歌詞と音楽です。とりあえず一曲、聴いてみてください。

□2.おすすめ5曲

①本当にとっておき

SHU-THEの音楽は、ストーリー性のある歌詞が特徴的です。一曲を聴き終わると、映画を観終わった後のような感覚になり、歌詞で表現された世界にどっぷりと浸かってしまいます。

この曲は、夫婦あるいは同棲中のカップルの物語。何気ない日常が、ユーモアをもった切り取り方で描かれ、共感して思わず笑ってしまうような部分もあります。

ところが、朝に小さな喧嘩をして出勤したその日、彼は事故に巻き込まれて亡くなってしまいます。曲の後半で、走馬灯のように繰り返される、「おんなじ鏡で歯磨きをして 私の寝癖あなたが直す」というフレーズ。特別なデートの日ではなく、なんでもない朝の日常が繰り返される、この後半部分に胸が苦しく、でも、あたたかくなります。

物語としては、よくあるストーリーなのかもしれませんが、日常の切り取り方の上手さが異常。そして、この歌詞に合わせる音が絶妙です。切なさとあたたかさが心に一気になだれ込んできます。歌い方も、この物語の主人公が話しているかのような錯覚に陥るほど、感情的です。

YouTubeにMVがあり、概要欄に歌詞も掲載されていますので、今から聴いてきてください。余談ですが、同じく概要欄に書かれている、「3.11をテーマに書かせていただきました。」というコメントにも胸が打たれます。

②One loop

1曲目を聴いて、心が動いた方にはこの曲もおすすめです。恋愛ソングはあんまり好きじゃないという方は、3曲目から聴いてもらった方がいいかもしれません。「One loop」は、別れてしまった同棲カップルの曲です。

YouTubeにMVがあり、歌詞付きですので、そちらで聴いてみてください。前半は別れた後の日常が、一人で暮らす男性の視点で描かれます。そして、サビを挟み、ふたりで暮らしていた頃の日常が歌われます。幸せと倦怠が入り混じった、そんな日常です。

中高生の恋愛ならば、別れた後の気持ちと付き合っていた頃の楽しかった思い出が歌われるのだと思いますが、これは社会人の恋愛です。別れる前の日常を歌うにしても、それは幸せだけでなく、何年も付き合っているからこそのトキメキがなくなっていく倦怠感が混じってきます。そこを絶妙な言葉でリアルに、優しく、切り取っているのがSHU-THEのすごいところです。

そして、曲の後半には、別れた後の男性の心情が素直に歌われます。震える声で歌われる「あの退屈な繰り返しは 奇跡の連続でした」というフレーズが心に刺さります。

③Back up sister

3曲目は恋愛ではなく、人生の応援歌です。歌詞はSHU-THEが女友達を励ますために書いた曲だと思われる内容です。

やりたいことがなく、進路相談の用紙が配られるたびに苦痛を感じてきたという女性。「私は空っぽでいつも何も持ってない パンパンのバッグは無くてもいいものばっかり」という歌詞に、彼女の虚しい気持ちが伝染してきます。あまりにリアルな歌詞で、既に就職していても、心のどこかで共感してしまいます。

SHU-THEは音楽家という道を歩いており、彼女とは正反対な気がしますが、贈られるのは、彼女を否定する言葉でも、夢を見つけろよという強引で無意味な言葉でもありません。曲の後半から、「じゃあもしさ、今日の出来事を一曲にして 俺がRAPしたらどうする?」と問いかけ、「俺のHIPHOPはこうやって使うんだ、見てな」という言葉から、彼女を励ます彼のRAPが紡がれます。

字面で読むと、少し青臭いかんじもしますが、これはもう曲を聴いてください。優しくてカッコよくて、この歌があればなんだってできるような、そんな気持ちになる曲です。HIPHOPに、こんな使い方があるなんて、知りませんでした。YouTubeにMVがあります。

④終末ナニスル

この曲は、今まで紹介した曲とはまた異なり、SFのような世界観です。YouTubeのMVの概要欄には、「太陽がとうの昔に死に、旧型コロナウイルスが蔓延した後の異世界。」と書かれています。浮遊惑星、太陽系、地熱エネルギーなど、理科的な単語がたくさん出てくる歌詞で、SF小説を読んでいるような気分になります。

冒頭は声だけで、朗読のような始まり方ですが、途中から音が入ってきます。この音が綺麗すぎて、なんだかこの時点で泣けてきます。太陽がなく、光が射さない、気温はマイナス、酸素のない、そんな世界で、太陽があった頃の、大切な人と過ごしたかつての日常を想う歌です。

「だけどたまに思い出すんだ」「紫外線を気にして塗っていた日焼け止めの香りを」「12時に起きてもう一度寝る君を」という歌詞がありますが、ここがやばい。日焼け止めや二度寝など、こんなところを切り取るのか、と思えるくらい些細な場面を切り取る彼のセンスに脱帽です。深夜に一人で聴いてほしい。

⑤motokano

最後に紹介するのは、曲名のとおり、元カノのことを歌った曲です。夫が大好きな曲で、「君のテーマソングだ」などと言って散々聴かされました。というのも、私たちは復縁して結婚したので、筆者は妻でありながら、元カノでもあります。共感した部分もお伝えしながら、おすすめポイントを語りたいと思います。

この曲は、男性視点で、元カノと居酒屋で飲んでいるという状況から始まり、飲み終わって別々に帰路につくところまでが描かれています。別れているのに、息はぴったりで、会話が最低限で成り立ち、気楽に冗談を言い合って、別れた後の別の人との恋愛の愚痴なんかを言ったりする、そんな空気。

でも、帰るときには送ったりしない。「大丈夫私大人よ 帰れるわ」という歌詞には、恋人じゃないから頼ったりしないよ、という彼女なりの線引きがきっちりと表れています。失恋ソングは数多あれど、この「友達でも親友でも無い 家族でも恋人でも無い」関係性をここまで的確に表現している曲はなかなか無いと思います。

筆者は復縁を経験していますが、別れてから半年ぶりに会った時の、肩の力がぐっと抜けるようなあの安心感をいまだに忘れられません。別れたとしても、一度本気で付き合った人はやっぱり特別です。この曲もYouTubeにMVがあり、成田凌さんで映像化されています。味わい深いので是非。

□3.まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。5曲選んでおすすめしましたが、これは筆者の主観で選んだもので、偏りがあります。今回は特に切ない系の曲を集めていて、彼の音楽には他にかっこいい曲もたくさんありますので、是非、いろいろと聴いてみてください。この記事が、HIPHOPを聴かないあなたにとって、新しい世界への扉になれば幸いです。

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