【再結成】街人 ONEMAN LIVE「シオン」【ライブレポ】

2024年1月8日(月・祝)、下北沢SHELTERにて開催された“街人 ONEMAN LIVE「シオン」”のライブレポ。3年ぶりに再結成したロックバンドの記録。

もくじ

1.セットリスト
2.はじめに
3.ライブレポ
再結成の日
本編
アンコール
4.まとめ

□1.セットリスト

1.she
2.ロックバンドになって
3.レンジ
4.Amaryllis
5.檸檬
6.SOS
7.怪獣
8.Number
9.ホップとロックとわたし
10.オレンジ
11.東京
12.24
13.コニカ
14.sayonara
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en1.シオン
en2.JIDAI
en3.JIDAI
en4.sayonara

□2.はじめに

ファンによるライブレポですので、MCの内容等、細かな描写について完全再現できているとは言い切れません。あくまで記憶頼りです。その点をご了承の上、読み進めていただけますと幸いです。

□3.ライブレポ

再結成の日

街人が帰ってくる。再結成のお知らせを見て、チケットを買っても、なんだか実感が湧かなかった。夢のようで、現実味がない。

2024年1月8日、祝日。正月休みのぼやっとした頭のまま、玄関の扉を開けた。冷たい風に抗うようにイヤホンを耳に押し込む。『ロックバンドになって』が流れてきたとき、目頭が熱くなった。この曲、あまり聴かないようにしてたんだった。

ライブハウスで君を待ってると歌ってくれる曲。もう待っていてはくれないのだと思うと悲しくなるから、解散してからはあまり聴けなかった。

今日は重い扉を押し開けたら、街人が待っていてくれるのだろうか。陽の落ちかけた空を見上げて、ひとりで小さく笑った。急に楽しみになって、駅まで走って向かった。待ってたのはこっちだ。

本編

お客さんでいっぱいの下北沢SHELTER。整理番号が遅かったので、後ろの方から見ることにした。会場BGMで流れるマイヘアに口角が上がる。

照明が暗くなり、SEが流れた。解散前はNakamuraEmiの『おむかい』がSEだったのだが、違う曲だった。でも、同じ歌声だった。SEと共にサポートDr.諏訪清太郎、Ba.岩佐貴明、Vo.Gt.奥智裕がステージに登場。正規メンバー2人に、サポートを加えて活動していくようだ。

*

暗めの照明の中で、イントロの演奏が始まる。1曲目は『she』。“行け 行け その先へ この先へ”と高らかに歌い上げる姿に、込み上げてくる想いがあった。街人が、また歩み始める。

「滋賀県ロックバンド!街人!」と叫んで、2曲目は『ロックバンドになって』。地下室のドアを開けたら、本当に街人がいて、幕が上がって、“此処からまたはじめよう 全部抱えたままでさ”と歌っている。彼らが帰ってきた事を、このときやっと実感した。胸がグッと熱くなって、掲げた拳を強く強く握りしめた。

2曲目の演奏終わりに、奥智裕が「ただいま!」と言った瞬間、危うく涙がこぼれそうになった。すすり泣くような音がいろんな所から聞こえて、そのかんじも懐かしかった。街人のフロアって泣き虫なんだよな~って、なんだかすごく愛おしくなった。街人の音楽は、心を柔らかくする。

そんなフロアの様子を見てか、奥智裕は「しみったれたのはやめにしよう!」と笑った。泣くフロアと笑顔の智さんの構図、解散ライブのときと同じだ、と思った。解散の時は清々しい笑顔を見て、見送らなきゃなと思った。でも今回はこれからもステージに居てくれる再会の笑顔だった。それが嬉しかった。おかえりだけど、ただいまだ。

3曲目は『レンジ』。“目と目を合わせ 口と口で殴り合って”の勢いのあるメロディが好きだ。紆余曲折を共にして、最終的に手を繋いで帰る部分に、再結成による街人とファンの再会が重なった。

「解散して3年、いろんなことがあったよ。みんなもいろんなことがあったでしょう?」。フロアへ問いかける奥智裕の言葉に深く頷いた。筆者にもいろんなことがあった。東京での暮らしにも慣れて、転職だってしたし、新しいバンドにもたくさん出会った。でも、街人を待っていた。そうやって、ここへ辿り着いたのだ。

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4曲目『Amaryllis』、5曲目『檸檬』を噛み締めるように聴き、6曲目『SOS』は身体を揺らしながら聴いた。どの曲も3年ぶり。大好きな曲を生で聴けること、奥智裕の優しい歌声を街人で聴けること。空間を満たす音のすべてが幸せだった。

演奏を終えると、奥智裕がギターを下ろし、「時間が過ぎるのが早い。体感がすごく早い。」と言いながら別のギターを背負い直した。が、一瞬時が止まり、「あっぶね~~~!今セトリ2曲とばすところだった!体感が早いんじゃなくて、セトリ見てる場所が違ったわ!相対性理論かと思ったら相対性理論じゃなかった~!」と笑いながらギターをまた持ち替えた。

Ba.岩佐貴明が「何言ってるか全然分かんない」と冷静にツッコんだのが可笑しくて、思わず笑ってしまった。相変わらず良いコンビだ。

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気を取り直して、MC。解散した時はどうしようもなかったこと、自分の部屋から飛び降りたこと、もう音楽を続けられないと思ったこと。街人を解散した後に結成したkao、あのメンバーがいたから復活できたこと。そういうことを、奥智裕は自分の言葉で真っ直ぐにステージから伝えた。

「kaoがなかったら、街人をまたやろうとは思えていなかった」と言ったとき、kaoの初ライブを思い出した。あのときは「kaoの由来は中国語の“靠”で、「頼る」「寄りかかる」という意味の言葉」と言っていた。筆者はkaoを頼りにしていたけれど、それは智さん自身もだったのかもしれない。kaoはいろんな人を支えてきたし、これからもそうなのだろう。

それから、街人の再結成に際し、「音を鳴らして歌うということがしたい。大切なものを大切にしたい。」とも言っていた。「生き延びる以外に大切なことなんてないよ。」と優しい声で言う智さんを見て、その通りだと思った。これまでも大好きだったけれど、これからの街人を筆者はもっと大好きになる気がする。

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「雨が好きです。雨の曲を」と言って7曲目は『怪獣』。8曲目は『Number』。9曲目『ホップとロックとわたし』は、元カノとの思い出を残しておきたくて作った曲らしい。

10曲目は『オレンジ』。初めて東京に来たときの事が語られ、11曲目『東京』。どの曲の後だったか記憶が定かではないが、歌い終わったときに、智さんが「音楽って本当に楽しい!」と笑った場面があった。フロアからは拳やピースがあがっていて、奇跡みたいな空間だった。

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「音楽を聴くときはひとりだと思ってる。ひとりで閉じこもって聴いて良いんだよ。」とポツリと言い、静かに12曲目『24』を歌い始めたとき、街人のこういうところが好きだなと思った。不安になったり、悲しくなったりして眠れない夜、何度この曲に掬ってもらっただろう。

『24』の演奏が終わったとき、視界の端に涙を拭うお客さんの姿が映った。そして、ステージに立つ奥智裕が、何かをグッと飲み込んだように見えた。涙をこらえたようにも見えたし、思いを飲み込んだようにも見えた。一瞬時が止まった気がした。息を飲んで見つめた。

そして、グッと飲み込んだ喉から絞り出されたフレーズは、「おやすみ、ごめんね、嘘つき」。今にも泣き出しそうな、けれど消えはしない、そんな歌声に、胸が詰まった。13曲目は『コニカ』。

ギターのイントロがゆっくりと溶けていく空間に、堂々としたドラムの音が大きく1音鳴った時、思わず放心してしまった。街人が、帰ってきた。そう思った。

徐々に疾走感を増していく演奏。ああ、この曲だ。このメロディと、この音、この歌詞、この歌声。そう、この部分が大好き。ここはいつも泣きそうになるところ。あれ、この曲で拳をあげるのってこんなに気持ち良かったっけ。

曲中に叫ばれた「新しいお守りだ~!」という言葉が嬉しかった。「街人の曲をお守りにしてほしい」と言い残して解散していったバンドが、新しいお守りを持って、帰ってきてくれた。

「さよならじゃない、また会うためのさよならだ!」と叫んで、14曲目は『sayonara』。解散ライブではアンコールでこの曲を演奏していた。ダブルアンコールをしたら、メンバーがステージに戻ってきてくれたが、もう一度この曲を演奏して街人は解散した。あのとき、何度呼び戻しても、きっともう、さよならしか言ってくれないんだろうなと思って、悲しくなったことを思い出した。そうか、もう、さよならじゃないのか。

「もうひとりにしない」

音に、歌に、叫ばれた言葉に、覚悟と煌めきと温もりが詰まっていた。

アンコール

アンコールを受けて、メンバーが再びステージに登場。「緊張した~!」と笑う奥智裕を、フロアのあたたかい笑い声が包む。「お知らせがあります!」と告げられたツアーの解禁に拍手が起こった。ゲストも解禁したいが、まだ言えないようで、智さんがうずうずとしていた。楽しみだ。

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アンコール1曲目は、新曲の『シオン』。「コニカには“希望”という花言葉、シオンには“あなたを忘れない”という花言葉があります」と言って、演奏が始まった。かっこよくなったなと素直に思った。街人は解散して時が止まっていたかもしれないが、kaoとして突き進みながら、奥智裕はソロ名義でも音楽活動をスタートさせた。彼らは決して止まっていなかった。そうやって積み重ねてきたものを、『シオン』に感じた。明らかにパワーアップしている。曲中に「忘れたことなんてなかったよ」と叫んでいたのも印象的だった。

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2曲目は『JIDAI』。新曲が2曲あるとは知らなかったから、嬉しい驚きだった。「こんな時代だけど、優しい時代にしよう」。短い曲だったので、気づいたら終わっていたのだが、連続でもう1回演奏してくれた。2回目は拳がたくさんあがっていた。

最後はまた会うための『sayonara』。そうだ、これからは何回だって、また会えるのだ。

街人、おかえりなさい!

□4.まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。街人の復活が本当に嬉しいです。無理はしないでほしいなと思うので、休みながらでも、ながく続けてくれたら嬉しいなと思います。新曲も出るし、ライブも見れる。全部が嬉しいです。街人の音楽をぎゅっと抱きしめたい気持ち!
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