【climbgrow】ビーフラ21周年ライブレポ【The Over Sensation】

climbgrowファンにはお馴染みのライブハウス、B-flatの21周年記念として2020年10月17日に開催されたツーマンのレポートです。久々の、「スタンディング」ライブでした。

もくじ

1.イベントの概要
2. The Over Sensationレポ
3.climbgrowレポ
4.まとめ

□1.イベントの概要

滋賀浜大津のライブハウス、B-flatの21周年記念ということで、この箱にゆかりのあるバンドが出演していました。The Over Sensationとclimbgrowの対バン形式。The Over Sensationはclimbgrowの後輩にあたるバンドです。climbgrowのGt&Bo杉野泰誠の友人としてよく名前があがる、元バンドマンで現漫才師の川口氏の弟がThe Over Sensationのボーカルだそう。溢れ出る地元感に心がホクホクします。(笑) フロアに入ると床にバツ印があり、場所を特定して距離をとった上でのスタンディング形式でした。全員マスク着用で、1,2列目はフェイスシールド着用です。フェイスシールドを避けたいなら3列目以降を選ぶという形式。コロナ禍なのでこのあたりの対策は来場者にも慣れてきたのではないでしょうか。何より嬉しいのは、久々のスタンディングライブであるということ。キャパは50人でした。

□2.The Over Sensationレポ

先発は4人組のこのバンド。MCで2年前にバンドを組んだと言っていたので、バンドの歴史がまだ浅く、知っている人も少ないかもしれません。かく言う筆者もこのライブで初めて知りました。前情報を全く入れないまま見たライブの感想として、まっすぐで正直で等身大な印象を持ちました。まっすぐでアツい歌声が前に出て、かっこいいのにどこか綺麗さをもった音がその歌声を際立たせている。歌が語り系というか、ラップのような部分もあるが、サウンドはバンドなので新鮮でした。大好きなクライムとの対バンということで、緊張感があり、それもまた場を引き締めてたように思います。MCでの、「思考を止めるな、行動しろ」という言葉も印象的でした。音楽と言葉を合わせて心を刺してくるような表現だと思いました。

□3.climbgrowレポ

セトリ
1.閃光
2.DOOR
3.TIGHT ROPE
4.THIS IS

5.LILY
6.酔生夢死
7.冬の蠅
8.RAIN
9.BANG BANG BANG
10.FALL OUT
11.MOTHER
12.窓
アンコール
13.風夜更け
14.THIS IS

もうこのセトリ見た時点でやばくないですか?出たばかりのアルバム「CULTURE」から、新曲が本編12曲中9曲です。曲自体の話は、アルバムの感想記事として書くかもしれないので、今回はライブの様子やMC、筆者が感じたことなどを中心に書いていきたいと思います。

閃光から始まる冒頭3曲
まさかの閃光始まり。アルバムの曲順だと、「TIGHT ROPE→DOOR→閃光」なので、これと完全に逆の順番でライブのセトリが組まれています。閃光は、曲自体がもちろん最高なのですが、ライブを意識して作成されているアルバムなだけあって、ライブ映えがすごい。1曲目からテンション爆上がりです。

まず、泰誠さんの第一声が「ロックンロールって知ってますか?」。もちろんロックンロール好きがこの場には集まっているわけなので、知っているはずなんですけど、筆者は、改めてそう聞かれると本当の意味では知らないのかもしれないとか、一瞬の間にいろいろ考えてしまって、あの場にいた周りの人もそうだったかもしれないし、マスクで騒げないから黙っているしかないのもあるし、理由はそれぞれだったと思うのですがその問いかけに会場が無音になって。そしたら、「知らねえだろ、だから教えてやるよ」という泰誠さんの言葉。かっこよすぎる。こういうところですよね、彼のフロント力っていうか!たまらないですよね!!!そんな最高の幕開けでライブが始まります。

そして、コロナ禍によってノリ方が分からなくなっている我々に対し、曲の途中で「拳ぐらいあげていい、あんたらのその拳が必要なんだ。」という煽りが入り、拳が一斉にあがります。必要とされるの嬉しすぎないか???と自問してしまうこの興奮、伝われ。そして、拳のたくさんあがったその拳たちの間からのぞく姿が、しっくりきすぎて。あなたには、やっぱりそれが似合う、と真っ直ぐに思いました。「コロナはうざいけど、着席ライブの方がじっくり見れていいかも」なんて思った自分を情けなく思うほど、彼らにはその光景がぴったりで。私は、全身見えなくてもいいから、たくさんの拳、たくさんの頭の隙間から見える彼らが見たい。その姿より映える姿なんて、無いと思いました。
THIS IS&LILYの鉄板2曲
新曲を3曲やった後は、既存曲の2曲です。この2曲は、拳のあげやすさにびっくりしました。よくよく考えれば、新曲はコロナ後なので、着席で見る機会しかなく、拳をあげるのが全部初めてなのに対し、既存曲はコロナ前なので、三密をやりまくっていた時期で、ノリ方に関しては身体に沁みついています。それを約7か月ぶりに爆発できたことになります。こんなの楽しくないわけないですよね。着席と違い、拳をあげやすかったので、スタンディングライブ、めちゃくちゃ良いなと思いました。距離をとってのスタンディングが今後の普通になってくるのかなと思います。家で一人で聴くんじゃなくて、ライブハウスでファンと一緒に拳あげて聴くのは、やっぱり最高です。メンバーも楽しそうで、泰誠さんとチェンさんが演奏しながら目を合わせて笑っていたのが印象的でした。
「楽しい」が溢れてる。
MC+冬の蠅
「鉄板2曲+酔生夢死」→MC→冬の蠅という流れなのですが、章の区切れ目の関係で酔生夢死を入れにくくなってしまいました。(笑) MCからここに残しておきます。

MCの内容
泰誠さん「俺は学がないから、バンドしかないと思ってやってる。バンドがあるからいいと思ってやってこなかった部分もある。メンバーは学あるのにバンドやってくれてて。和嗣はめちゃくちゃ良い高校行ってたのにこんなところでギター弾いてるし(笑)、ほんまやみたいな顔してるけど、頼むし辞めんといてくれな(笑)
俺はずっとバンドやってて、でも周りは仕事や夢に向かっていって、ほんまにすごいなと思ってます。みんなも仕事とかしてるやろ、すごいなと思ってます。なにも頑張ってないやつはこれから頑張ろう、な。美学とかじゃなくて、優しさとかじゃなくて、ちょっとでもここにあるもん出していこう。」

最後を歌詞に繋げ、冬の蠅に続けるMCです。
「バンドしかない」という言葉と「バンドがあるから」という言葉に、泰誠さんの思いが強く出ているように思いました。ラジオで、“高校に行っていないから、修学旅行の話に入っていけない”というような内容を話されていたことが、筆者は頭に残っていて、「バンドしかない」というのは、単なる学歴の話ではなく、学生時代を音楽につぎ込んだ結果、周りが経験してきたことをやっていない、ということに対するコンプレックスも含まれているのかもしれません。一方で、全てをバンドに注いできたことや音楽にかける想いには何よりも自信をもっていて、他に道がなくても、「バンドがあるから」良いと思えるくらいの誇りがある。いろんな選択肢を残す生き方ではなく、一本の選択肢を決めて他の道を切り捨てていくような生き方。だから、その一本に対する覚悟は半端ないし、熱量も想いも全てを注ぎ込める。それが彼のかっこよさの根幹なのかもしれないと思いました。歌詞にも音にも、後戻りできない崖っぷち感と、それでも荒れた道をガシガシと踏みしめて前に進んでいくような覚悟がよく表れていると思います。ライブでの圧倒的な存在感というか、鬼気迫る咆哮なんかは、そこに全てを注いでいるのがビリビリと伝わります。初めてライブを見て、圧倒されて、その場で心に風穴あけられたこと、今思うと納得です。これだけの覚悟が刺さらないわけがない。

ちょっと待て、泰誠さんのこと好きすぎて冬の蠅の話できてないですね(笑)(笑)
冬の蠅は2分しかない短い曲ですが、「夢中で走るだけの 霧中で構わなくて 後退りする余裕などないから」というサビなど、随所に上記のような考え方が染み出ていて、それがたまらなく好きです。曲としては爽やかなかんじもするけれど、内容は泥臭い。このMCを聞いて、生で冬の蠅を聴いたこの時間が最高でした。あと、MCの、いてくれるメンバーに感謝したり、辞めんといてなと笑いながら言うあたりはほっこりでした。(笑)泰誠さんは全力すぎて身を焦がしてしまいそうなので、冷静さや明るさをもったメンバーが支えてくれることがめちゃくちゃ大事だろうなと勝手に思っています。(誰やねんお前)

あと、仕事している人に対してリスペクトしているMCも良いですよね。音楽が一番かっこいいんだという視点ではなく、仕事をがんばっている人のかっこよさも受け入れているというか。コンプレックスをこじらせると妬み嫉みに支配されてしまうと思うのですが、彼はそういった感情に足を掬われることなく、心の柔らかいまま自分を貫いているように思います。こういう人のファンになると幸せですよね。好きだ!!!(誰やねんお前)
RAINからぶち上げ3曲
「RAIN→BANG BANG BANG→FALL OUT」という流れでぶち上げ3曲です。もうライブも後半です。泰誠さんがギターを置き、ハンドマイクに。RAINからの風夜更けという流れじゃないところが新鮮です。このへんのいかつい曲、たまらないですよね。新曲をインスタでチラ見せするという企画のときにめちゃくちゃ興奮したのはFALL OUTだったし、アルバム初めて聴いたときに一番好きだと思ったのはBANG BANG BANGだったので、筆者はこういう曲が大好きなんだと思います。ライブはもちろん最高で、このときが一番わくわくしました。でも泰誠さんにはトラブルが発生し、おろしたてのギターが壊れました。(笑)「昨日受け取って、今日はじめてライブで使うのに…。萎えるわこれは…。」と言ってだれてたのが可愛かった(笑)
ライブでさっきまで猛獣みたいやったのに、突然雨に打たれた子犬みたいになる。(笑)
MOTHERと窓で終演へ
MOTHERの前にMCが入ります。
泰誠さん「働いてライブハウスにお金払って使わせてもらいながら、ばあちゃんがやってるスナックのカラオケで歌わしてもらってた。ばあちゃんがおらんかったらここに立ってなかったと思う。メジャーデビューしたって何回も言ってるけど、顔見ても俺のことすら誰みたいな目で見てくる。曲にしてばあちゃんが良くなったらって、そんなん馬鹿げていると思うけど、それができるのがロックンロールだから。」

MOTHERの、エッジを効かせるような歌い方が好きです。苦しそうにも聞こえるけど、それがこの曲の心情と合っているように思います。泣くのを我慢する時って喉の奥が詰まるじゃないですか、あんなかんじがする。泰誠さんの声ってがなりでゴリゴリのロックンロールもできるし、掠れ声を活かして切なくも聴かせられるし、やっぱり最高ですよね。これをまたライブハウスで爆音で聴くのが良いです。切なさで終わらせず、かっこよく仕上げてくるのがさすがクライムです。

窓は、目標を追うために滋賀を出た元カノの曲だとラジオで泰誠さんが語っていました。歌詞の、黒いカラスが羽ばたく描写が、前向きなかんじがして好きです。別れへの切なさがありつつ、彼女を応援している気持ちや大切に想う気持ちが感じられる曲です。今回のライブでは最後の曲でしたが、5分以上ある曲なので、最後にじっくり味わえるというか、余韻に浸れるかんじがしました。しっとりと終わらせることもできるロックンロールバンド、かっけえな。
アンコール
風夜更けを演奏して、終わりかと思いきや、「もう一曲やるから思いっきり踊ろうぜ」という泰誠さんの言葉でこの日2回目のTHIS IS。最後に一暴れさせてくれるのが嬉しい。コロナ対策で場所は固定なので、その場で拳をあげ身体を揺らす。「全てを忘れてイェイイェイ(以下略)~~~~!!!」の部分が楽しすぎました。久々にはしゃげたなと思う。これのおかげで、テンションぶっ壊れて、クライムBARで仲良くなった友達や、ブログの読者さんとたくさん話せました。人見知りの塊ですが、このタイミングなら仲良くなれる(笑)余韻で平日の職場でも明るかった気がするからライブは偉大です。
私の壁を壊してくれる。

□4.まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。今回は印象に残った場面を集めたので、まとまりがなかったかもしれません。(汗) 筆者が伝えたかったのは、泰誠さんの生き方が大好きだということと、スタンディングライブは拳があげれて楽しいということ、クライムの新曲はライブだと更にやばいということです。あれ?結局まとまってない?(笑)

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