本記事では、Maki 1st Full Album RINNE Release Tour「大四喜」として、2021年1月17日(日)に浜松G-SIDEにて開催されたclimbgrowとの対バンについてレポートします。
もくじ
1.ライブの概要
2.climbgrowレポ
3.Makiレポ
4.まとめ
□1.ライブの概要
Makiの1st Full Album「RINNE」の発売に合わせ、2020年10月17日の渋谷公演を皮切りに、各地ツーマン形式で開催されてきたMaki主催のツアー。ボーカルの喉の不調や、コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令などで、一部の公演を延期し、もどかしい思いをしながらも走り続けているツアーです。本記事でレポートする浜松公演では、climbgrowをゲストに迎えました。筆者はclimbgrowのファンですので、彼ら部分のレポが詳しめになります。Makiについては詳しくありませんが、新鮮な目でみた感想を残しますので、お付き合いいただけると嬉しいです。
□2.climbgrowレポ
セトリ
1.DOOR
2.THIS IS
3.LILY
4.BANG BANG BANG
5.RAIN
6.未来は俺らの手の中
7.閃光
8.ラスガノ
9.窓
ライブレポ
予定の開演時間から10分ほど遅れて開始。小さなライブハウスで、ステージに辿り着くには客席をかきわけていくしかないという驚きの仕様。筆者は花道の反対側にいたので、かきわける様子は見えず、突然現れて突然始まった印象でした。
✓DOOR~THIS IS
「その先で待ってるぜDOOR~~」というお決まりのフレーズから始まります。定番のDOOR始まりに安心。二曲目はTHIS IS。冒頭二曲でどんどんエンジンをかけていくかんじが好きです。
✓LILY
(来るぞ来るぞ…)と思ったら「リーーリィーーー!!!」と泰誠さんの叫び声がぶちかまされます。たまらん。もうこの時点でたまらん。この曲の爆発力はやっぱりエグいです。今回のライブの筆者的ハイライトは正直ここでした。杉野泰誠どこまでいくん???って思うぐらいにはえろかった。色気がえげつなすぎてマスクの奥で笑ってしまったのですが、髪がファサッてなって、あの、演奏しながら頭振るじゃないですか、そんでファサッてなったんですよね、そしたら髪の毛かきあげ泰誠さんが出来上がってたんですよ。それがもうばちくそにえろくてですね、かき上がった髪から滴る汗もまた良し、挑むような眼も良し、口元ニヤッとするのも100点、まじで何事???LILYのMVがえろいと筆者の中で話題ですが、今の彼バージョンのMVも出してほしいです。2年刻みでLILYのMV出しましょう!(大声)
~LILY演奏直後~
泰誠さん「…密です」
(会場から笑い声があがる)
→何の前触れもなく突然言うのでじわりました。小さなライブハウスで、ステージとフロアの距離が近い構造だったので、こう言いたくなる気持ちも分かります。(笑)
泰誠さん「汗飛んだらごめんな、先に謝っとく。普段なら俺の女たち(おそらくファンのたとえ)が汗浴びにくるんやけどこういう状況やから(笑)こんな状況のなか、ライブができて、来てくれる人がいて、バンドとして幸せやなと思います。ライブハウスにも来にくいと思うけど、来てくれてありがとう。ディスタンスでみんなの顔が見えやすいのが、嬉しいです。ありがとうって、もうこれさえ伝わったらいいよな。俺らも命削ってやります。」
→コロナ禍のなかライブに行くこと、ライブをすること、ライブに呼ぶこと自体が批判の対象になるので、「来てくれてありがとう」という言葉も本当は言いにくいのではないかなと思います。でも、言葉にするのは、本心だからだと思うし、音楽を救いにしている人たちは、こういう状況でも音楽に救いを求めるので、来た人に対して、救って帰そうと思っているのではないかと感じます。最近のMCは感謝と、聴き手を救おうとする言葉が多い印象です。音楽の場だけは救いがなければならないことを、彼は知っているような気がします。
~BANG BANG BANGへの繋ぎ~
(マスクで声が出せないので、喋るたびにやたらと拍手をする会場の雰囲気)
泰誠さん「煽るみたいにめっちゃ拍手するやん(笑)」
会場(笑い声)
泰誠さん「今から曲やるんで、アホになってくれますか!」
会場(拳をあげる)
泰誠さん「そこは拍手ちゃうんかい(笑)」
会場(笑いながら拍手)
泰誠さん「猿のおもちゃみたいに思いっきり手叩いてください~BANG BANG BANG~~!!」
✓BANG BANG BANG
四曲目はみんなでアホになってぶちあがれるこの曲。途中で泰誠さんが後ろを向いてドラムを叩く一幕があり、ライブ後、その一幕が可愛かったと筆者のクライム仲間内で話題に。筆者の位置からはドラムが見えず、泰誠さんの揺れるおしりだけ見ていたので、ドラムを叩いていたと知って納得でした。(笑)ケツダンスかと思った(笑)
~死ぬ人多すぎ説~
泰誠さん「死なんといてください。自殺流行ってるし。流行ってるって言い方あんま良くないか。死ぬ人多すぎ…説(笑)死ぬんやったらロックンロール聴いてから死んでください。」
チェンさん「いや、死んじゃだめじゃん!」
泰誠さん「ええねん、いつか死ぬんやから。」
泰誠さん「でも、やっぱ生きてたほうが絶対おもろいっすよ。生きてください。」
→チェンさんのつっこみとかで、暗くなりすぎずこの話をできるのが良いなと思いました。あと、「いつか死ぬんやから」と言うところが泰誠さんらしいなとも思いました。夢追うバンドマンなのに妙に地に足がついていて悟っているかんじ。そこがまたいい。
✓RAIN
五曲目はライブで絶対聴きたいこの曲。ここまでのセトリがぶちあがりすぎて、(いやもうほんまのフルパワーやん???)という気持ち。クライムの真骨頂って結局ここなんですよね。ぶちあげ、ぶちかまし、これに尽きる。RAINってなんでこんなにかっこいいの???
~チェンさん以外怖い~
喋って、と泰誠さんから促され、チェンさんのターンです。
チェンさん「見た感じ怖いじゃないですか、僕意外。」
会場(笑い声)
チェンさん「でも、実はめちゃくちゃ優しいんですよ!」
泰誠さん「死ね!全員死ね!!」
チェンさん「こんなん言ってますけど、めちゃくちゃ優しいんですよ。信じられないと思うけど」
会場(笑い声)
→実は優しいってこと、ファンは知っているので、チェンさんには共感しまくりです。チェンさんのたまにファンみたいなこと言うところが大好きです(笑)それから、「生きてください」とか、良いことを言ってたのに、全部無しにしちゃう「全員死ね!」に爆笑。余計に怖がられるで~と思いつつ、照れ隠しだとしたら可愛いのでそのままでいてください。(告白)
~未来は俺らの手の中への繋ぎ~
泰誠さん「コロナで色々あったけど、俺らだけちゃうかな、この地獄を未来と呼べるのは。」
ここあまり覚えていないのですが、地獄って言葉が10回くらいでてきた覚えがあります。「地獄を未来と呼ぶ」というMCは、前回のライブで出てきて、そのときはサラッと一言だけだったのですが、今回は詳しめでした。ただ、この「地獄を未来と呼ぶ」MCが、筆者は前回から好きすぎて地獄って出てきた時点でワァ~~~~~!!と脳内が沸き立って、記憶があまりありません。一つ鮮明に覚えているのは、上記の発言の際、「俺らだけ」というところに自信が感じられたことです。表情にも自信が表れていました。ここが!!前回と!!違う!!ところです!!!ここからは憶測なので適当に読み流してもらいたいんですけど、前回のライブでは自分が普段から思っていることを言っただけで、そこをアイデンティティだとは思っていなかった可能性がある、でも今回はそこをアイデンティティとして、クライムにしかできない表現として、自信をもって言っている可能性があると筆者は思うのです。こんなんできるの俺らだけやからついて来いよ、地獄を未来にしてやるよ、と言われているような感覚になりました。自信満々なところがこのバンドのかっこよさのミソだと思います。彼らの曲を聴くと、なぜか自分にも自信がわいてくる感覚があります。聴いてるだけなのに。すげえよ。
✓未来は俺らの手の中
地獄MCからの未来を歌う流れがめちゃくちゃ良いです。これはこのMCとセットでしばらく定番化してほしい!!コロナという地獄の状況下で眩しく輝く希望の歌です。苦しいときに輝く音楽って素敵ですよね。
✓閃光
「そこに立っているひとりひとりが俺らにとっての閃光だ」という言葉をいって始まったのが7曲目、閃光。閃光前は毎回決め台詞みたいなのがあるので楽しみにしています。ただ、この部分で聴き手に焦点をあてた発言をするのが珍しかったので、あたたかい気持ちになりました。私たち、クライムの閃光らしいですよ?それは、さすがに嬉しすぎません???
✓ラスガノ
8曲目、ラスガノ。6,7,8曲目の流れはしっとり→眩しめ→ぶちあげと、段階を踏んで地獄を未来に変えていってくれる選曲だと思いました。前半で、今回はぶちあげ系のライブだと思っていましたが、6曲目からの後半でメッセージ性をだしてきたので、ぶちあげとメッセージ性のハイブリッドじゃん!!!という気持ち。最強かよ…
~窓への繋ぎ~
泰誠さん「いつかさよならをしないといけないときが来る。そのときに、ちゃんとさよならって言えたら良かった、後悔なく生きているつもりでもうまくいかないんですよね。」
窓の前にMCが入ることが今までほとんどなかったので驚きました。筆者は、冒頭の「いつかさよならをしないといけないときが来る」で全部もっていかれて、その後の発言をほとんど覚えていません。他のバンドを出してしまいますが、筆者はキュウソネコカミのボーカルが、「さよならはいつか来るから、推しは推せるときに推しとけ~!」と言うのが好きなので、泰誠さんのこの冒頭の発言で筆者の脳内にキュウソが発生してパニックになってしまいました(笑)ラストに窓をもってくるのが意味深すぎるので、窓については引き続き考察中です。この曲は特別な気がしてなりません。
□3.Makiレポ
セトリ
1.シモツキ
2.秋、香る
3.ユース
4.斜陽
5.五月雨
6.春と修羅
7.虎
8.銀河鉄道
9.文才の果て
10.三角公演
11.ストレンジ
12.平凡の愛し方
13.憧憬へ
14.フタリ
15.RINNE
アンコール
16.こころ
ライブレポ
ライブの感想は次章のまとめでお伝えし、この章では印象的だったMCを記録しておきます。
✓climbgrowを絡めたMC
「泰誠くんのモノマネ、バンド界では結構似てると思うんだよね(笑)」という発言や、「怖そうに見えるけどめっちゃ優しいんだよ」→「なんか優しいエピソードある?」→「う~~~ん、ないかも(笑)」→会場(爆笑)→「あ、京都でライブあったときに、泰誠くんが飯行こうって連絡くれた!リハで結局行けなかったんだけど(笑)」というやりとりもありました。筆者的には、泰誠くんという呼び方が可愛いなと思いました。(笑)
✓「コロナ禍のなか、どう行動するべきか」を問うMC
この状況下でツアーをしているロックバンドが何を思っているのか。その答えは、「ライブハウスを守りたい、この場所を失いたくない」という気持ちでした。ただ、それを伝える前に、「君達は何が正しいと思う?」と何度も問いかけるMCに、心を掴まれました。バンドマンが自分たちの考えを表明して、聴き手がそれを受け取るライブが多いと思うのですが、こちら側に問いかけられたことが印象的でした。おかげさまで筆者の思考もぐるぐると回り。動かないことが世間一般の正義だけど、実際は動かなければ経営破綻で潰れる、という状況なんだろうなと思いました。ライブハウスを守ることを選んだ彼らの覚悟がみえたライブでした。
✓本編終了からアンコールまでの流れ
退場ルートがないライブハウスなので、本編終了後「…で、どうやって帰るんだ?」となっていて笑いました。「このままアンコールやる?」という流れになり、「アンコール終わったらすぐ片付け始めるので、そのままみなさん帰ってください(笑)」と言ってアンコールに繋げていました。なにこの退場できないライブハウス。(笑)そこを笑いにして楽しめるのもまた素敵でした。
□4.まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。climbgrowは前半を激熱系の曲でぶちかまして、後半でメッセージを伝えつつ、最後を窓で締めるエモい終わり方。彼らのかっこよさ、繊細さがぎゅっと詰まったライブでした。また、MCが多めだったのも印象的で、彼らをあまり知らずに見た人からすると、優しさやおもしろさが垣間見え、意外な面もあったのではないでしょうか。対バンなので短めでしたが、要素が詰まりすぎて魅力が詰まりすぎて、もう大満足でした。Makiは、親和性の高いバンドだなと思いました。あまり聴きこまずに行ったものの、スッと耳に入ってきて、気づいたらアツくなってしまっているような音楽性、気取らない自然な会話感のあるMCや、葛藤をそのまま聴き手に投げかけて、一緒に考えようとするような問いかけなど、ファンと共に歩いていくようなバンドだなと思いました。筆者の感覚としては、climbgrowがどんどん走って行って、たまに振り返ってくれるような先輩だとしたら、Makiは手をひいて明るい方向へ引っ張っていってくれる同級生みたいなかんじ。異論は認めます。(笑)それぞれの良さが光ったこの対バン、また見たいなと思いました。
〇バンド好き同士良かったらつながりましょう♪
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special thanks:MCを思い出す作業に付き合っていただいた方々