【活性の火’24/アカシアSTAGE】とりやべあやかライブレポ

2024年9月1日(日)に北海道苫小牧市で開催された入場無料の音楽フェス“活性の火”2日目のライブレポート、とりやべあやか編。音楽ファンとして趣味で書いているレポート。

リハーサル

活性の火2024、2日目、9月1日日曜日。アカシアSTAGEは、アカシア公園という緑溢れる小さな公園内に設置された、テントのようなステージ。どの方向からでも見れるのが特徴だ。野外なので、自然のそよ風が心地良かった。

アカシアSTAGEの3番手、とりやべあやか。2番手、オトノタネの演奏が終わり、セッティングに入る。弾き語りなので、アコギ1本と譜面台のみで臨むようだ。

音出しとして、ハルレオの『誰にだって訳がある』を披露。歌い終わり、音響さんに「大丈夫でしょうか…?」と不安そうに尋ねるも、「逆に大丈夫ですか?」と返されていて、微笑ましかった。

しかも、「すごくやりやすいです!」とハキハキと答えていた。緊張や不安と闘いながら、なんとか自分の足でステージに立っていて、不安な心に打ち勝とうとしている、そんな葛藤が見てとれた。そういう一生懸命さの滲み出るところが、彼女の魅力のひとつだ。

本編

セッティングが終わり、ライブ本編が開演。1曲目は『何をしても』。「自信がなくて不安になる 自分を信じてあげられない」という等身大な歌詞は、音出しで不安げなやりとりをしていた彼女の姿と重なり、ありのままの言葉を紡ぐ音楽家なのだなと腑に落ちる。

けれど、続く「それなら信じてくれる人を できるだけ信じてみたらいい」という歌詞を歌うとき、目が合った気がした。なんだかドキリとする。

2曲目は、『サマーナイト』。この日は新曲をたくさん揃えてきたようで、全5曲のうち、1~4曲はすべて音源化もされていない新曲だ。この曲も初めて聴いたのだが、不思議とすぐに身体に馴染んだ。スーッと溶けていくような、安心感と心地良さがある。

部屋の窓辺に肘をついて、外の雨をぼーっと眺めながら、ぐるぐると考え事をしてしまうときのテンポや雰囲気を、この曲からはなんとなく感じる。だからきっと、落ち着くのだろう。

「お母さんの歌」と説明して、3曲目は『あのね』。歌っている途中で彼女の瞳が滲んだような気がした。いろんな感情がぎゅっと1曲に詰まっていて、その切実な空気感に、強く惹きつけられた。ひときわ感情的に歌い上げられたこの時間が、今回のハイライトだったように思う。わずか数分間で、こちらが意識する間もないほど自然に、心を掴んで、持って行ってしまった。

4曲目は、『かわいくはない』。「思ったように弾けなくて」、「嫌いになりそうで怖かった」など、苦手なことやコンプレックスの詰まった歌詞が印象的だが、「でも嫌いにはなれなかったの だから今ここで歌ってる」、「でもあなたは好きと言ってくれた だから今ここで歌ってる」と、前向きな歌詞に繋がっていく曲だ。

心にまっすぐ届く、迫力のある歌声を披露しながらも、見ているこちらが固唾を飲んで見守りたくなるほどの緊張感もまた、彼女はずっと纏っていた。けれど、「だから今ここで歌ってる」と歌うとき、空気がふわっと柔らかくなった。その変化を見て、嬉しい気持ちになった。

ギターを弾くことや歌うことが、本当に好きなんだなと思った。たしかに、かわいいというよりは、かっこいい声質なのかもしれないが、楽しそうに歌う表情は、とても華やかでかわいかった。それに、この歌声だから、心に刺さるのだ。筆者は彼女の歌声が心底好きである。

最後に歌ったのは、「初めて作った曲です」と紹介して、『0』。「ただやれるだけ やってやるんだ」という歌い終わりが、この日にぴったりだなと思った。ずっと出たかった活性の火、そのステージに立つという夢を叶えた彼女の、やれること、やってみたいことは、これからどんな広がりを見せていくのだろうか。今後も目が離せない。

あとがき

ここまで読んでいただきありがとうございました。筆者は趣味でライブレポートを始めたとした、いろんな文章をこのブログで書いています。
とても良いライブだったので、文章にして残したくなりました。

この文章は彼女へのファンレターでもあります。素敵なステージを見せてくれてありがとう。自信がなくても、苦手でも、これからも“好き”という気持ちで、あなたが突き進んでいけますように。

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