【ボイガル日記】DO YOU KNOW 2024と札幌への帰省

THE BOYS&GIRLS(通称ボイガル)が初開催するサーキット”DO YOU KNOW 2024″を見るために札幌遠征した、2024年6月29日~7月1日の記録。

《1日目》2024年6月29日 土曜日

4月ぶりの札幌。前回は長期間の滞在だったので、遠征というよりも帰省するときの感覚に近い。宿にチェックインし、荷物を置いて散歩に出かけた。とりあえず、中島公園を通って幌平橋に向かう。札幌に着いたら、まずは幌平橋に行きたくなる。幌平橋は、筆者にとっての聖地なのだ。

中島公園を途中で抜けて、河川敷に出るまでに通るホテルがある。前回、7日間ほど泊まらせてもらった。実家を見るような目でホテルを見上げる。なんかもう本当に帰省かもしれない。

ホテル近くの河川敷は、4月に何度もギターを弾きに来た場所。そのとき座っていた場所には草が生い茂っていて、豊平川の水の量も少なくなっていた。たかが2ヶ月だが、もう景色が変わっている。札幌は、来るたびに景色が違う。季節に乗って、自然の景色がころころと表情を変えて、人がいて、生活がひしめいている、そういう街。

河川敷をまっすぐ歩き、幌平橋へ。アーチの頂上から、豊平川を眺めた。手すりにカップル達の落書き。河川敷には手持ち花火を楽しんでいる学生グループ。(夏だな~~~)とか思いながら、暮らしの息遣いを吸い込んだ。この場所になら、何時間だって居られる。

だが、筆者には他にも行きたい場所があった。営業時間が終わるまでに、銭湯に行きたい。初日から、夕飯→散歩→銭湯、という完全なる住民ムーブ。こういうふうに札幌を歩くのが憧れだった。当たり前みたいに札幌に帰ってきて、当たり前みたいに過ごすのだ。
スーパー銭湯「北のたまゆら」、売店にBoccaのプリン!

《2日目》2024年6月30日 日曜日

ボイガル主催のサーキット"DO YOU KNOW 2024"の開催日。朝はゆっくり起きて、10時からのリストバンド交換へ向かった。

KLUB COUNTER ACTIONの前には既に列ができていて、列の中に友人の姿を見つけた。道路を挟んで向かい側だったので、「早いね!」と叫ぶ。FREE KICKが先着20名にTシャツを配るらしい。全力で今日を楽しもうと、1時間前から列に並ぶお客さんたちの姿がキラキラしていた。

お腹がすいていたので、筆者は列には並ばず、モーニングを食べるためにコメダ珈琲を探した。朝から晩まで見られるだけ色んなバンドを見るつもりだから、今食べておかないとヤバい。狸小路商店街をとことこ歩く。

すると、向こう側から知っている顔が現れた。お互いに「あ…!」と気づき、「コメダ珈琲に行くところなんです」「私はモスバーガーに行くところで」となり、コメダが満席だったので、最終的に2人でモスバーガーへ行った。住んでいる場所は北海道と東京で離れているし、年齢も全然違う。ボイガルに出会わなかったら、確実に出会えなかっただろうなという人。

だからこそ、狸小路を歩いていて、まるでご近所さんのように、「あ…!」となってそのままモスバーガーに行くというこのムーブが、とても嬉しかった。なんかもう既に奇跡が起こっている。

モス野菜バーガーを注文し、しばらくお喋り。サーキットのまわり方が全然違ったので、「最後のボイガルでしか会わないかもね~」と笑い合いながら、今日出演するバンドの情報交換をした。

サーキットはこれだから面白い。時間の都合で当日に全バンドを見れなかったとしても、周り方を考えるために、タイムテーブルが出た時点で出演バンドの楽曲を聴くし、当日もばったり会った友人と情報交換をしたりする。見れるか見れないか以前に、出演することが決まった時点で、そのバンドに出会うことになる。“その日のライブ”という枠を越えて、出会いや楽しみが広がっていくのは、サーキットやフェスならではだと思う。

開演後は、基本的には一人で周った。Xで「#レポタグ」というタグをつけて、見たバンドにつき1ツイートずつ、リアルタイムでライブレポを投稿。これは個人的な執筆活動だが、およそ1年やってきたことだったので、集大成のつもりで書いた。

以下に貼り付けておく。
【FREE KICK】
主催/ワタナベシンゴの歌声で開幕。「お前らTシャツくれる苫小牧の変なバンドだと思ってるだろ!」という悪態に、フロアから笑い声が溢れた。「シンゴに誘われたら絶対出る!」。羽目をはずしたくなる爆音の演奏は、まるで深夜のパーティ。KCAの夜が明けた。

【まなつ】 東京町田のまなつ、初の北海道。「ボイガルの歌詞やシンゴさんとの会話によく出てくる場所、昨日から通ってきた!」「ボイガル主催のイベントに出られるのがもうやばい!」moleでぶち鳴らす、愛と熱と夢に溢れた演奏。眩しくてあたたかいまなつの音楽に胸が高鳴った。

【nape's】 福岡の4人組バンドが灼熱のESP HALLに登場。あまりの暑さに「初札幌なんですけど、福岡でもあまりないくらい暑い...」と微笑む。熱帯夜のようなじっとりとした空気に、彼らの音がじんわりと溶け込み、幻想的な雰囲気に。ボイガルとの縁、嬉しさを噛み締める想いが伝染

【Brown Basket】 京都の4人組バンド、初札幌。「シンゴさんが俺らを札幌に呼んでくれた!分かるか?お前らと踊りに来た!」汗と涙が弾け飛ぶようなエネルギーと瑞々しさのあるステージ。熱気を増していくフロア。札幌と関西の距離を知った彼らの音は、一段と強い光を纏っていた。

【KOHAKU】 札幌の3人組バンド。日常を繊細に見つめて抱きしめながらも、どこか達観した空気を纏う音楽。「シンゴさんが好きだと言ってくれる曲。そう言ってくれるから、自分もまたこの曲を好きになれています。」と語り、『町を編んで』を歌った。心を撫でてくれる歌声と演奏。
【フラワーカンパニーズ】 結成35周年、最年長だが初々しい気持ちでオンステージ。「シンゴとは15年の仲、彼はまだ紙おむつだった...今は俺らが紙おむつに...」というMCに笑いが起こる。新曲から名曲まで披露。風を背負っているかのような空間掌握力、心に突き刺さる歌声が圧巻。

【goethe】 札幌の4人組バンド。儚い美しさや安らぎを感じられる上品な音だが、遊び心も溢れる不思議な魅力。イベント公式で事前に出題していたクイズの正解をMCで発表し、和やかな雰囲気に。フロアの手拍子から演奏を始めたシーンも印象的だった。いつまでも浸っていたくなる時間

【BENBE】 札幌の4人組バンド。「実はいま扇風機と同じ方向に揺れてた」と、冗談を挟んで場を和ませながら演奏。Vo/Gt.古川の深みのある歌声と、Acc.だつの涼やかな歌声の重なりが心地良い。包容力のある落ち着きと宴会のようなハッピー空間の両面を生み出せるのは、彼らならでは

【plop】 札幌の4人組バンド。Gt/Vo.サトウは、シンゴさんとはplop結成前のPA時代に出会ったこと、ステージで演奏できる喜びを語り、「生きていて良かった」と微笑んだ。掻き鳴らされるギターの音が耳をくすぐり、透明感のある歌声が、神秘的な煌めきをもたらした。ドキドキの音。

【でかくてまるい。】 闘志とぬくもりを宿したロックンロール。「今日出たバンドとシンゴさんのうたが終わらないように」と願いを込めた『メロディー』、呼ばれなかった道内ツアー、悔しくて見に行った名寄公演、「俺が星になる」と宣言した『36号線』。一曲一曲から想いが溢れた

【ビレッジマンズストア】 名古屋のロックバンド。喉元に喰らいつくようなギラギラの演奏。フロアで「ボイガル対俺達じゃない!全バンド対俺達だ!」と叫ぶと、大群となった観客がVo.水野の元へ突撃。袖で爆笑する主催者。こんなにもカオスなのに、カッコよくキマるから恐ろしい。

【THE BOYS&GIRLS】 サーキット初主催。既存曲からも新曲からも始まりの音が鳴る。ボイガルの音楽がいつだって鮮やかで勇気を与えられるのは、始め続けているバンドだから。「この街でしか書けない曲を書いていく。札幌で頑張ります。よろしく」間違ってないと思えた、決意の音。
どのバンドのライブを見に行っても、全力のステージで、ボイガルが話題にあがったり、袖にシンゴさんの姿を見つけたり。大好きなバンドが主催するイベントって、やっぱり嬉しい。一日中、心がぽかぽかするような、熱とハッピーと音に溢れたイベントだった。

それと、一つ分かったことがある。筆者は札幌が大好きだが、どうやら筆者の好きな札幌は、“ボイガルを通して見た札幌”のようだ。

何度も札幌に来ると、いろんな景色が新鮮なものではなくなっていって、そこにあって当たり前になっていく。

だけど、この日のボイガルのライブで、シンゴさんが札幌の建物や場所の固有名詞をいくつか出した時、その度に脳内で景色がパッと出てきて、キラキラと輝いた。「狸小路」のワードで、アーケード街の頭上にある「狸小路」という標識が脳内にパッと浮かんで、キラキラと光ったりした。

ボイガルに出会って、札幌に来るたびに思い出ができて、さらにボイガルを好きになって。そんな循環が筆者の中でぐるぐると巻き起こっている。

だからこそ、MC中の「札幌で頑張ります」という言葉が嬉しかった。札幌に住んで、見て、感じて、シンゴさんの視点を通して描かれていくボイガルの楽曲が大好きだ。この日(おそらく)初披露だった新曲も、めちゃくちゃ良かった。
DO YOU KNOW?、札幌のボイガルだからこそ
ボイガルのライブが終わって、moleを出たら友人が手を振ってくれた。朝、KLUB COUNTER ACTIONの前に並んでいたときに手を振ったぶりの再会。会ってはいたのだが、サーキット中は話すタイミングがあまりなかったので、ちゃんと話せたのは久しぶり。

ほぼ同時に北海道の兄者とも合流。前回の遠征時にボイガルのライブで初めて会い、引っ越し祝いで缶バッジをくれた人だ。人生の先輩なので兄者と呼ぶことにした。

3人ともお互いに面識があったので、3人で札幌駅まで向かう流れに。セコマの鯖おにぎりをもぐもぐと食べながら、地下歩道を歩く。話したいことがありすぎて、札幌駅までの距離が短かった。

友人と改札で別れた後は、兄者と2人で来た道を戻り、大通へ。話したいことがありすぎて、深夜2時過ぎまで立ち話をした。ボイガルの話とか、他の好きなバンドの話とか、山ほどトピックがある。

たくさんライブを見たことも、たくさんお喋りをしたことも、全部が楽しかった。筆者は行きたいライブがないと、あまり外に出ないし、人と話す機会も少ない。だからこそ、こういう日、こういう時間がとても貴重で、嬉しかったりする。

雨が降る中、宿へ戻り、充実した気持ちでぐっすりと眠った。

《3日目》2024年7月1日 月曜日

朝起きると、小雨が降っていた。サイクリングでもしようかと思っていたのだが、雨なら仕方ない。コンビニで買った傘を差しながら、散歩することにした。今日の夕方には、飛行機で東京へ帰る。札幌の空気をできるだけ感じておきたい。

すすきのの宿から、スープカレー店34へ。徒歩40分ほどかかるのだが、中島公園も幌平橋も通れるので丁度良い。このお店のラムの肉団子が入ったスープカレーが、筆者のお気に入りだ。

お昼を食べた後は、近くだったので、中の島をブラリ。ギターを買ったハードオフに立ち寄ってみると、ボディがフレームしかないギターがあって、なにこれ~!と思ったのでちょっと弾いた。反響しないから音が小さくて、自宅での練習にぴったりみたいなことが書いてあった。こういうのもあるのか~、と小さな発見。

中の島神社にもふらっと立ち寄った。中の島は筆者にとっての聖地なので、聖地の神社ってめっちゃパワースポットじゃん!と思ったのだ。人気のない、こじんまりとした神社。神木に触れ、鐘を鳴らして一応お参りした。
中の島神社にはカラスと筆者だけ
中の島方面の用事は済んだので、札幌駅の方向へ引き返すことにした。ボイガルの楽曲をシャッフル再生で聴きながら歩く。幌平橋のてっぺんに着いて、豊平川を上から見渡したとき、イヤホンから『パレードは続く』が流れて、思わず頬がほころぶ。見渡した瞬間にこのイントロ、最高だ。

札幌の街を歩いていると、どのタイミングでどの曲が流れるかとか、メロディにぴったりな柔らかい風が吹いたりとか、そういう些細な出来事を敏感に感じられる。自分にとって札幌が非日常な空間だから、小さな風も温度も色も逃さず感じたいと無意識的に思えるのだろう。何度も通えば、見慣れる景色も増えていくが、この繊細な非日常感は、ずっと消えない気がする。

だからこそ、いろんなものが見えなくなったり、分からなくなったりしたら、ここに来たいと思う。自分を見つめ直したり、深呼吸するのに最適な場所。“好きなバンドの拠点”という意味を超えて、大事な場所になっている。
中島公園を抜け、すすきの方面へ。ココノススキノに立ち寄り、DONGURIというパン屋さんでパンを購入した。塩メロンパン(生クリームが入ってるver.)の発売が開始されたという情報を、札幌に来る前から入手していたのだ。

最後にいももち屋さんにも立ち寄ったが、姿が見えなかったので、「あれ?今日はいないんですか?」とDMを送ったら、「早上がりになったけど札幌駅のミスドにいるよ~」と返信が来た。お土産を渡したかったので、電車が出るまでの数十分を活用し、立ち寄ることにした。

ミスドで少し話した後、一緒に快速エアポートに乗ることになり、空港に着くまでにもお喋りをした。札幌も好きだけど、札幌で会える人たちも好きだ。思えばいつの間にか、この街に来るときにいろんな顔が浮かぶようになった。

次の来札予定は、活性の火。ボイガルのライブ、あの子のステージ、カレンダーを受け取る約束、再会できそうなあの人。もう既に浮かぶ顔がある。
ミスドに入る直前に撮った、札幌駅のモニター

あとがき

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。初期の頃のボイガル日記とは打って変わった、落ち着いた日記になったように思います。前回札幌に住んだ成果だろうな~(笑)そういう微細な変化も落とし込める文章を書いていきたいと、ぼんやりと思っています。

さて、個人的な話にはなるのですが、一応ご報告を。この度…!転職いたしました\ウワーイ/!遠征した日からかなりタイムラグのある投稿となってしまいましたが、転職活動をしていたためです。

スキルが身につけば、リモートワークも可能になるので、そうしたらまた札幌に住めるかもしれません。1年はかかりそうですが。ウィークリーマンションを借りて、自炊しながら滞在とかしてみたいな~と思ったり。さすがに楽しそうすぎない?

頑張りたいことも、楽しそうなことも含めて、小さな夢をたくさん持っていたいです。筆者の場合は、楽しいことだけではバランスをとれないというか、何かを頑張っていないと自分を肯定できない性格だと気づいたので、ステップアップしていける職業に変えることしました。頑張りたい。

IT業界に飛び込んで、プログラミングを勉強中です。筆者のスキルが上がれば、そのうちこのサイトにも、面白い機能を追加できるかもしれません。塩メロンパンの写真が画面上にめっちゃ降ってくるとか!(要らん機能)まあなんか、楽しみにしておいてください(笑)

心機一転、すべてはここから。
塩メロンパン (生クリームver.)が 美味しすぎる

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