【奥智裕を聴け】1枚目のEPが最高すぎたからレビューする

街人やkaoのボーカル&ギターとして作詞作曲を手がけ、数多くの名曲を生み出してきた奥智裕が、ソロでの初音源となる1stEP『Homely』をリリースしました。2023年6月13日にサブスクも解禁!名盤すぎるのでレビューします。

もくじ

1.はじめに
2.『Homely』ディスクレビュー
①ハッとして
②Rainy Dancer
③束の間の昼休み
④台風
⑤生活はつづく

3.まとめ

1.はじめに

奥智裕という音楽家をご存じでしょうか。現時点ではソロ名義での活動よりも、街人およびkaoのボーカルとして知っているという方が多いかもしれませんね。

筆者は街人をきっかけに奥智裕の生み出す音楽の虜になったファンの一人です。この記事はただのファンが勝手に書いているものなので、気軽に読んでもらえると嬉しいです。

街人もkaoも聴いたことがないという方は、この機会にぜひ聴いてみてください。この記事の最後におすすめの曲を記載しておきます。

奥智裕の生み出す音楽には、どこか陰があって、落ち着く柔らかさがあり、切羽詰まったときに聴くと「助かった…!」という気持ちになります。筆者には、この音楽を知っていて良かったなと思った瞬間がたくさんあります。

ひとりでもこの名盤に出会ってほしいので、記事を書くことにしました。ぜひお付き合いください。

2.『Homely』ディスクレビュー

バンドのボーカルのソロ活動というと、弾き語りのイメージがあったのですが、届いたCDを聴いてみると、いろんな楽器の音が入っていて、バンドで生み出してきた楽曲とは全く違う魅力がこれでもかというほど詰まっていました。最高すぎて、思わず口元を手で覆ってしまうような、そんな度肝を抜かされる作品でした。

聴いた後に読んでも、聴く前に読んでも楽しめるレビューを心がけたいと思いますので、お好きなタイミングで読んでいただけると嬉しいです。

それでは一曲ずつレビューしていきます!音楽の専門的な知識は皆無ですので、ただのファンとしての素直な感想を綴っていきます。筆者のワクワクやドキドキが少しでも伝わりますように。

①ハッとして

筆者としては最も衝撃的だった曲です。結婚を考えるくらいの大恋愛、その終わりを歌う失恋ソング。

弾き語りライブでギターと歌声だけだったときは、胸が詰まるような曲だったのに、音源になったときに、宝石みたいな曲になっていて、聴いた瞬間に崩れ落ちそうになりました。苦しい大失恋を、1曲に閉じ込めて、綺麗に結晶化したかのような。楽曲の美しさが感動的かつ衝撃的です。

大切な人に会えなくなった人に、聴いてほしいなと思います。大切な人のことはきっと忘れられなくても良くて、綺麗なかたちにして胸にしまっておいても良いのだな、と思えるような楽曲です。

②Rainy Dancer

雨の中でステップを踏む姿が浮かぶような、軽快かつスタイリッシュなメロディが魅力的な楽曲です。憂鬱な気持ちになりがちな雨の日も、この楽曲があれば楽しく乗り越えられそうです。

筆者が特に好きなのは、後半部分の曲調がガラッと変わるところです。弾むメロディがグッと落ち着いて、訴えかけるような歌い方になるのがグッときます。雨も、悲しみも、痛みも、引き連れたまま強く生きてやろう、という気持ちになれます。

陰の中で軽快にステップを踏んでみせようとした力強い楽曲。雨の中でも歩かなければならない人たちの味方になってくれる曲だと感じます。

③束の間の昼休み

筆者が一番好きな曲です。この記事を読んでから気になった曲を1曲だけ聴いてみようと思っている方は、迷ったらこの曲を聴いてみてほしいです。

歌詞には、上司のパワハラに悩む女性や、家族に会えないほど忙しいサラリーマン、家事や育児に追われる主婦など、苦しみを抱えている人々が登場し、それぞれの昼休みが描かれます。何気ない日常で漏れるため息が音楽になったら、きっとこの曲になるような気がします。

落ち着いたメロディに奥智裕の柔らかな歌声が重なった、癒しの楽曲。しんどくなったときに聴いたら、不意に泣いてしまうような、心を包み込んで、背中を優しくさすってもらえているような感覚になる曲です。

④台風

曲名とは裏腹に、ゆったりとした楽曲です。台風みたいな曲というよりかは、台風が去った後の心をなだめてくれるような楽曲だなと個人的には感じています。

失恋ソングにも聴こえるのですが、「僕はまだ墓場で待ってる いつかまた君に会えたなら ちゃんと伝えなくちゃ」という歌詞があるので、死別の曲なのだと思います。

筆者は「幸せの対価に いつかくる絶望が待ってる それでも 迷わずに 君と出逢う方を選びたい」という歌詞が大好きです。苦しみを見つめた上で、生きることや愛することを選ぶ音楽家が好きです。

⑤生活はつづく

アコースティックギターと歌声のみの仄暗い楽曲です。1~4曲目でいろいろな楽器を使った上で、最後の曲で弾き語りという原点に戻るかんじがすごく素敵だなと思います。

「くだらない日々を 意味のないことを 抱きしめながら 僕らは生きてく」という歌詞が好きです。日常の苦しみに寄り添ってくれる音楽を探している人におすすめしたい楽曲です。部屋の明かりを消して聴いたら、きっとこの曲が、小さな、確かな光になってくれるような気がします。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。抽象的で感情的なレビューですが、少しでも伝わるものがあれば嬉しいです。気になる曲が1曲でもあれば、ぜひ聴いてみてください。

また、この記事では奥智裕の関連として、冒頭で街人とkaoも紹介しました。街人が泥臭い優しさで日常に寄り添ってくれる、夕焼けみたいなロックバンドだとすれば、kaoは苦しみと興奮が混じり合う、雷みたいなロックバンドだなと思います。まったく異なる2つのバンドの振れ幅に、きっと驚かされる事でしょう。

街人なら『コニカ』、kaoなら『Torch』という曲がおすすめです。MVがありますので、こちらも興味があればぜひ聴いてみてください。

それではまた次の記事でお会いしましょう~!
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